奥方様は実家に。

昨日の深夜、昼間とつづけて、いままでで一番はげしい喧嘩が二階の部屋でありました。

奥方様、すっかり怯えきり、実家に退避しています。

さみしいな。
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今週の戦車。

週間戦績 17戦 / 勝率41.18% / WN8-1623 / 平均tier5.06
総合戦績 6172戦 / 勝率53.45% / WN8-1339 / 平均tier4.60

今週は、あまり戦車できず。金曜日から、ようやく少しだけ。

中国ルートのイベントがきているので、type58に乗っているけれど、いまひとつ活躍できないなー。

クレジットが20万しかありません。現実でもゲームでも貧乏です。泣きそうです。

20.病院の話 その3

――6.世間話。

警備員は、平日の昼間は病院の出入り口にたって案内業務に就いている。

診察の待ち時間が長いことにしびれをきらした人が出入り口にやってきて、警備員と世間話をして時間をつぶすことが、よくあった。

その時は、60歳くらいの男性と話をしていた。もう3時間も待たされている、長すぎて疲れちゃった、と男性は言った。

「おれ、この近所に住んでるから、ずっと昔からこの病院通ってるんだ。改装されてキレイになったけど、昔は、幽霊病院って言われてて、このあたりじゃ有名だったんだよ」

「そうなんですか」

「今でも出るの?」

「どうなんでしょう。ぼくは、よく分からないです。でも、夜中はやっぱり気味が悪いですよね」

はい今でもよく出るみたいです、とは言えないので、てきとうにごまかす。

「そうだろうね。実はおれ、入院してるときに何度も幽霊見たんだよ。同じ病室の人も見たって言うの。こわかったよ」

「うわー」

「おれが見たのは二階の角部屋。黒い人影みたいなのが、たくさん出たり入ったりするんだよ。気持ち悪かったな。改装する前の話よ。むかしは二階が病棟だったけど、いまは変っちゃってるよね。何があるのかな」

いま、そこは透析室になっている。


――7.べつの警備会社。

とある大手の警備会社から移籍してきた人と話をした。

「あなた、病院にシフト入ってるんだって?」

「はい。○○病院ですよ」

「げっ、おれ、そこ知ってる」

「そうなんですか?」

「おれが前に勤めてた警備会社、ここの警備会社の前に、○○病院と契約してたんだよ」

「ほう」

「いろいろあって契約を解除してさ。そのあとに、この警備会社が引き受けたみたいだね」

「知りませんでした」

「おれ、前の会社のとき、○○病院にシフト入らないかって言われて、絶対いやだって断ったんだよ。だって、みんな幽霊出るって言うんだもの。おれ、幽霊こわいから」

「まじですか」

「どこの病院も、幽霊の噂はつきものなんだけど、たいてい噂だけなんだよ。前の警備会社でも、いくつか病院受け持ってたからさ。でも、○○病院だけはホンモノだったらしい。だれを配置しても見ちゃうんだよ。みんな嫌がって拒否するからシフト埋まらないし、契約の金額的にも渋くておいしくないから、契約を解除したんだよね」

「はあ」

「夜の巡回してると、一階の玄関から入ってくる廊下と、二階の病室に必ず出るし、みんな見るって言ってた」

病院の改装は、新しい警備会社に変ったのちの話。この話は、改装する以前のものだ。改装以前、現在、小児科がある場所に正面玄関があった。玄関から入ってくる廊下というのは、すなわち、つきあたりに小児科がある廊下のことだ。

二階の病室というのは、おそらく、透析室になっているあたり――。

この移籍してきたばかりの人に、病院メンバーはまだ誰も、病院に出る幽霊の話などしていなかったのだが……。

(おわり)

19.病院の話 その2

――4.鼻歌。

一階の廊下。つきあたりは小児科。その手前は内科の診察室が並んでいる。小児科と内科の中間にトイレがある。

ずらりと並ぶドアを、ひとつひとつ施錠を確認してゆく。

どこからともなく、かすかな鼻歌が聞こえた。ぎくり、と身体がふるえた。

懐中電灯の明かりを左右に走らすが、だれの姿もない。

この病院は駅前にあり、外は繁華街。酔っぱらいの声や、学生がさわぐ声が響いてくるのは、しょっちゅうだ。

耳をすませて、音の方向をさぐる。外からの音ではない。あきらかに、建物内から音がしている。診察室の中からでもない。

廊下のどこかから聞こえてくる。しかし、廊下は一本道だ。それでいて、だれの姿もないのだ。

耳をすませて音の方向をさぐるが、音の場所は近いような、遠いような、方向も距離もはっきりわからない。

それでいて、かすかな音量だが、フゥーーン、フゥーン、フーンと、はっきり聞こえる。なんの曲ともわからないが、ゆるやかに音程が上下する。鼻歌、としか表現のしようがない。

若い女だ、とわかる。

そういえば、と思い出した。

トイレで人感センサーが反応したのは、女子トイレだった。いま、その女子トイレを目の前にして立っている。明かりはついていない。

(ここで明かりがついたら、どうしよう)

想像して、おそろしくてたまらなくなり、その場から走って逃げた。


――5.透析室。

この病院、こわいと職員が口をそろえて言う場所が二箇所あった。ひとつは、つきあたりが小児科になる一階の廊下。もう一箇所が、二階の人工透析室。

あるとき、病院の職員が書類が必要になって夜中の透析室に入った。戻ってきたときに、真っ白に顔色をうしなっていた。

「透析室のベッドに、だれか寝てた。えっ、と思って見直したら誰もいなかった」

何人もの職員が透析室で、亡くなったはずの透析患者さんが佇んでいるのを見ている。透析室は、職員のだれもが夜中、ひとりで入るのを恐れる場所だった。

しかし、警備員は毎夜二回、ここを巡回せねばならない。おそろしい話を聞かされているせいか、ほかとは雰囲気がちがうように感じられた。

警備員は平日、昼間、出入り口に立って外来者の案内業務に就いている。決められた曜日に通ってくる透析患者とは、顔見知りになる。挨拶はもちろん、世間話もするし、愚痴につきあうことも多い。つきそいの家族とも親しくなる。

透析を受ける患者さんは腎臓が機能しない。週に二回から三回、透析を受けなければ、たちまち命があやうくなる。台風だろうが、大地震だろうが、透析を休むことはできない。普段の生活も、食事、水分ともにきびしい制限を受ける。そのうえ、透析のたびに大量の水分を急激に抜き取るため、たいへんに苦しい思いをする。

それが一生つづく。

すこしずつ弱ってゆく。

自分で歩いて病院に通えていた人が、息を切らしながら歩くようになり、杖が必要になり、車椅子になり、失明し、手足を切断し、……という姿を、警備員は見ている。

そういえば、あの人しばらく顔を見ないなと思っていたら亡くなっていた、というのが年に十人はいる。

透析室にはベッドが二十床以上ある。ベッドには、それぞれついたモニターはついている。モニターの電源は二十四時間落とさないようで、うすあわい緑色の光が、ずらりと並んでいる。幻想的ともいえたが、気味の悪く、とてもさみしい場所だった。

警備員仲間も、いつも挨拶を交わしていた透析患者さんの顔だけが宙に浮かんでいたり、窓から外をながめていたのを何度も見たと言っていた。

透析室は、かれらの長くて苦しかった戦いの場所である。どうしても思いが残って、なかなか離れることはできないのものなのだろうか……。

(つづく)

18.病院の話 その1

東京の西にある病院で、夜間・休日警備業務に就いていた人の話。


――1.工事中の部屋から内線電話がかかってくる。

夜間・休日の外線電話は、まず警備員が受けることになっていて、この電話対応業務が一番の仕事だった。

救急隊からの受け入れ要請、救急外来にかかりたい患者からの問い合わせ、外部の病院からの転送問い合わせなど、かかってきた電話内容によって、然るべき部署につなぐのである。

場合によっては、入院病棟から患者が暴れているから助けにきてくれ、といった内線電話がかかってくることもあり、瞬時の判断で適切な対応をとらねばならず、まったく気が抜けない仕事だった。

PHSが鳴る。画面を見ると3桁の数字が表示されている。これは、内線電話の番号である。

「はい、警備室です」

電話に出るが、相手は何もしゃべらない。

「もしもし?」

数度、話しかけるも無言。しばらくして切れた。かけ直してみるが、つながらない。内線番号表で確認すると、とある部屋からかかっていた。

しかし、この部屋では工事が行われていて閉鎖中。電話は撤去されているはず。

それでも、入院患者が迷いこんで具合が悪くなったとか、怪我をしたとかで救援を求めてかけた電話が、たまたま警備員のPHSにつながった可能性もある。確認しなければならない事案である。

部屋にゆく。やはり工事中で、部屋の内装品はすべて撤去されている。照明もつかえず、真っ暗だ。懐中電灯で確認するが、だれもいない。電話機は外されて、線だけがぐるぐる巻きにまとめられて、ぶら下がっていた。

かかってくるはずのない電話であった。


――2.だれもいないのに点灯する明かり

夜中の1時すぎに定時巡回をする決まりになっていた。各部屋のドアの鍵はしまっているか、閉め忘れている窓はないか、ひとつひとつ確認しながら歩いてゆく。

1階の廊下のつきあたりは小児科である。確認して、戻ろうとした。小児科の手前にある女子トイレに、明かりがついている。この照明は人感センサーで自動的に点灯する。

繰り返すが、廊下のつきあたりにある小児科の手前のトイレ。さきほど、廊下をやってきたときは、明かりはついていなかった。タイミング的に、いまトイレに入っている誰かは、巡回する警備員の、すぐ後ろについて歩いてきたとしか考えられない。

だが、ついてくる人などいなかったし、足音も聞いていない。

しばらく待った。やがて、明かりが消えた。消灯も自動で、人感センサーに反応がなくなってから数分で行われる。

センサーは、便器に腰掛けながらでも上半身をゆする程度の動きで反応するくらい鋭敏なものだ。それが消えたということは、中には誰もいないか、いても、まったく動いていない。

本来、男性警備員は女子トイレの確認はしなくていいことになっていたが、万が一を考え、

「おそれいります、警備員ですが、どなたか入っていらっしゃいますか?」

と、ドアをあけて入り口から声をかけるが、個室はすべて開いている。だれもいない。トイレに入る音も、トイレから出てゆく音も、水洗する音も、手を洗う音も、自分以外がたてる音は一切聞いていない。

人感センサーは、何に反応したというのか?


――3.小児科に、だれかいる。

昼の勤務に入るため、朝の8時に警備室に入った。夜勤番は65歳の、おじいちゃん。疲れきった顔で椅子に座っていた。

「おれ、昨日、小児科で聞いちゃったよ」

と言う。

何がです? 訊ねると、こういう答えだった。

定時巡回のとき、小児科のドアの向こうで足音がすることに気づいた。診察室の中で、パタパタ走り回ってるヤツがいるのだ。すわ、侵入者と、緊張してドアを開けようとするが鍵はかかっている。

そっと、錠をはずし、ドアを開いてゆく。足音は消えた。ドアの横にある照明のスイッチをすべて入れると、パッと部屋が明るくなる。だれもいない。カーテンの裏、ベッドの下、念入りに確認しても、だれもいない。開いている窓もない。

おかしい。聞き間違いかな。

不審に思いながら、明かりを消し、ドアに鍵をかける。さて、次へゆくか。と、離れかけた瞬間、ドアのむこうから、また、パタパタっと足音が聞こえた。ゾッと総毛立つ。

そこで気がついた。足音が軽い。これは、子どもの足音だ。

「ということがあってさ」

「まじですか」

「いや、実はこれ、だいぶ前の話でさ」

「はあ」

「おれ、足音また聞いちゃったんだよね。本当はダメなんだけど、こわくて中はいれなかったから確認してない。悪いんだけど、もう明るくなったでしょう。小児科みておいてくれる?」

「わ、わかりました」

その日、引き継ぎして最初の仕事は、小児科の確認。もちろん、中には誰もおらず、窓も開いていない。ドアの鍵もきちんと閉まっていた。

真夜中の小児科で足音をたてていたのは、だれだったのか?

(つづく)
自己責任とはなにか?
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